2016年2月10日

第153回県本部中央委員会

自治労栃木県本部2016春闘方針および当面の闘争方針

T 2016春闘方針

 

1 情勢

アベノミクスのもと、円高、株安が進みましたが、円安による輸入物価の上昇は、むしろ家計を圧迫し、国民生活の向上にはつながっておらず、労働者201511月の実質賃金は5か月ぶりに減少しました。アベノミクス第2ステージも、国民の批判をそらし、参議院選挙の争点隠しを狙ったものです。働く者の代表が参加していないところで「GDP600兆円実現のためには3%台の賃上げが必要」という議論をすること自体、選挙目あて、連合排除を狙った目くらましと言わざるを得ません。この間の目標が達成されないまま掲げられた新たな目標設定も実現可能性に乏しく説得力をもちません。

連合は、2015春闘で、加重平均6,354円(2.20%)、一時金については年間4.84月と、2年連続で2%を超える賃上げを実現することができました。しかし、実質賃金については、この間のマイナス傾向を完全に脱したとまではいいきれません。2016春闘においては、引き続き、賃上げを獲得できるかどうかが課題となっています。

 

2 2016連合春闘方針のポイント

 連合は、今年の春闘に向けて、「月例賃金にこだわり、賃上げの流れを継続させる」、「底上げ・底支え、格差是正をめざし、従来の取り組みに加え、サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正な分配に資する公正取引の実現を重視し、その効果が広く社会に浸透する取り組みを行う」、「中小企業で働く仲間や、非正規労働者の処遇改善に向け、より主体的な闘争を進め、大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動にチャレンジする」としています。具体的には、「賃上げ要求水準は、2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とする」、「中小組合の賃上げ水準目標を6,000円とし、賃金カーブ維持分4,500円を含め総額で10,500円以上を目安に賃金引き上げを求める」、「非正規労働者の賃金については、誰もが時給1,000円の実現をめざす」としています。こうして「世界一働きやすい国」をつくるとしています。

 

3 自治労の重点課題

 自治労は、2016春闘の3つの重点課題を掲げています。

@ 公務員賃金の改善と改正地方公務員法に対する取り組み

A 地方財政の確立と公契約条例制定にむけた取り組み

B 格差是正と公正なワークルールを確立する取り組み

 

4 栃木の情勢

 201510月の栃木県景気動向指数CIは110.4で4か月ぶりに前月比1.8ポイント上昇し、「下げ止まり」を示しています。宇都宮市の消費者物価指数(201510月)は104.7で、前年同月比0.4ポイント下落しました(2010年を100としたときの指数)。201511月の有効求人倍率は1.10倍、前年同月比0.14%増で、一部に厳しさがみられるものの改善が進んでいます。

 

5 自治労栃木県本部の統一要求課題

 自治労栃木県本部は、自治体単組の統一要求課題と公共サービス民間単組の統一要求課題を掲げて、2016春闘を取り組みます。とりわけ、公共サービス民間単組の統一要求課題については、統一要求書を決定して各単組で取り組みます。春闘は1年の賃金・労働条件闘争のスタートであることを労使確認し、要求−交渉−妥結(労働協約・書面協定)のサイクルの定着をはかります。

(1) 自治体単組の統一要求課題

1 賃金・労働条件の決定にあたっては、労使交渉・協議の実施とそれに基づく合意によるものとし、労使による自主決着をすること。

2 賃金水準(給料月額)について、30243,599円(国公行()3−13水準)、35295,740円(国公行()3−43水準)、40345,348円(国公行()4−44水準)以上とすること。

3 自治体に雇用されるすべての労働者とすべての地域公共サービス民間労働者の最低賃金を月給154,300円(国公行()1級13号俸・2015年勧告額)以上、日給7,720円(月額/20日)以上、時給1,000円以上とすること。

4 (独自削減単組は)独自の給与削減を廃止すること。

5 時間外勤務手当と休日勤務手当の時間単価額は、労働基準法方式により算定すること。

6 時間外労働の実態を踏まえ、必要な時間外勤務手当財源を確保し、全額支給を徹底すること。

7 期末・勤勉手当を維持・改善すること。勤勉手当の成績率の運用については、十分な労使交渉と合意によること。

8 臨時・非常勤等職員の賃金(報酬)について、人事院指針(2008年8月26日)や総務大臣答弁(2009年5月26日)、2014年総務省通知などを踏まえ、職務内容(職務の内容と責任)、在勤する地域、職務経験等の要素を考慮し、改善すること。休暇諸制度について、その種類、期間、賃金保障など正規職員と均等待遇を行うこと。

9 希望する者すべてを高齢者再任用制度により雇用すること。再任用者の賃金は、国公行()4級再任用賃金(273,400円)以上とするとともに、単身赴任手当を支給すること。また、その他労働条件についても組合との合意に基づき実施すること。

10 人事評価制度の導入については、4原則(公平・公正性、透明性、客観性、納得性)2要件(労組の参画、苦情解決制度)を確保し、十分な労使交渉・合意を前提とすること。職員間に差をつけることが目的ではないことを明確にし、拙速な賃金への反映は行わないこと。

11 安全衛生委員会を月1回以上開催し、快適職場環境の実現と健康診断の徹底をはかること。

12 恒常的な残業が続いている職場や臨時・非常勤等職員が恒常的業務を行っている職場は職員の増員を行うこと。

13 ワーク・ライフ・バランスを確立するとともに、男女平等を実現すること。女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく特定事業主行動計画の策定にあたっては、労使協議・合意を前提にすること。

14 セクシュアル・ハラスメントをはじめあらゆるハラスメントを防止するため、労使協議のもとで対策を強化すること。

15 分限条例に失職に関する特例を設けること。

16 偽装請負を行わないこと。任用・雇用については直接雇用を原則とし、派遣労働者の受け入れについては、事前協議を前提とすること。

17 公共サービス基本法10条、11条に基づき、自治体の責務を果たすため、安さを追求する競争入札から、公共サービスの質の向上や自治体政策実現に資する入札にむけ、公正労働、生活できる最低賃金、雇用継続、障害者雇用、男女平等参画などを総合評価する公契約基本条例を制定すること。

(2) 公共サービス民間単組の統一要求課題

1 自治体最低賃金(月額154,300円以上、日額7,720円以上、時間額1,000円以上)を確立すること。

2 賃金改善について、「賃金カーブ維持相当分+賃金改善分6,000円」以上の引き上げを実施すること。非正規・パートタイム労働者の賃金については「賃金カーブ維持相当分37/h+2%(格差是正分)」以上の引上げを実施すること。

3 月例給、一時金について、自治体の水準を最低とし、維持、改善すること。

4 賃金表を確立し、定期昇給を完全実施すること。

5 50歳台後半職員の昇給抑制、昇格見直しは実施しないこと。

6 給与構造改革における現給保障を廃止しないこと。

7 「給与制度の総合的見直し」にならった賃金引き下げは行わないこと。

8 退職手当(金)の改善をはかること。

9 人員を確保し、休暇交替要員を確保すること。

10 改正労働基準法に対応した時間外勤務手当の割増率の引き上げを行うこと。

11 育児・介護休業法の趣旨を踏まえ、両立支援策等に関する所要の措置を速やかに行うこと。また、非正規・パートタイム労働者に対しても育児休業・介護休業制度を適用すること。

12 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画の策定にあたっては、労使協議・合意を前提にすること。

13 雇用確保に努め、解雇、雇い止めを行わないこと。

14 高齢者雇用安定法に基づき、定年を60歳以上に延長し、希望者全員の最低65歳までの雇用継続(再雇用)制度を確立すること。

15 自治体事業への入札にあたっては、公正労働基準に基づく積算を行い、ダンピング入札を行わないこと。自治体との契約書に記載された「労働条項」を遵守すること。

16 指定管理者の応募にあたって、20101228日総務省通知も踏まえ、事業計画などについて労使協議を行うこと。また、雇用保障協定を締結すること。

17 労働契約法・改正パートタイム労働法に基づき、非正規・パートタイム労働者の賃金・労働条件について、正規職員との均等待遇を実現すること(諸手当含む)。

18 非正規・パートタイム労働者の更新拒否の雇い止めをしないこと。また有期から無期契約への転換をはかるなど、雇用保障にかかわる協定を締結すること。

19 労働基本権を侵害する不当労働行為を行わないこと。労働条件の決定・変更にあたっての「事前協議・同意協定」を締結すること。

(3) 全国一般の課題

全国一般栃木地方労組は、実質賃金の維持・向上と格差是正こそ最優先する課題という考えから、平均賃上げ要求13,500円以上として、月例賃金の改善にこだわった要求と交渉を基本に職場討議を進めていきます。個別賃金要求基準としては、30255,000円以上、35282,000円以上、40315,000円以上とするとともに、非正規雇用労働者の時給については、1,000円以上または引上げ額50円以上を求めます。全ての職場で要求を取り組もう、として、賃金のほかにも、労働時間短縮、定年延長・退職金確保、仕事と生活の両立支援、反失業、職場・雇用確保、労働法の活用による権利拡充に取り組みます。あわせて、労働法制の改悪反対、政策・制度課題、平和と民主主義を守る課題にも取り組みます。

(4) 地方公務員法改正(改悪)にかかわる対応

地方公務員法改正(改悪)にかかわる対応は、基本的には2015賃金確定闘争の継続の課題として2月10日までの決着をめざしますが、能力及び実績に基づく人事管理の徹底(人事評価制度とその結果の賃金への反映)は3月ぎりぎりまで継続交渉となることがあり得ます。自治体労組の統一要求課題10はそういうものとして位置づけます。

(5) 人員確保と男女平等の推進

人員確保と男女平等の推進については、@春闘期の交渉とするのか、A6月期の交渉とするのか、単組ごとに方針を明確にして取り組みます。

 

6 公共サービスキャンペーン

 質の高い公共サービスの実現を求めて、公共サービスキャンペーンに取り組みます。県民への宣伝(びら配布)行動と県民対話集会を行います。

 

7 たたかいの進め方

(1) 賃金確定闘争を年明けに継続している単組は、2月1日〜9日を交渉集中ゾーン、2月10日を統一行動日として、最低でも人事院の勧告どおりの賃金改定、3月末までの差額支給を実現します。

(2) 要求提出ゾーンは2月10日〜17日とし、各単組は2016春闘要求書を提出します。遅くとも2月末には全単組で提出します。全国一般地方労組の各支部も、2月末までに要求提出に取り組みます。

(3) 民間大手のヤマ場は3月第3週に設定されることから、自治労も3月14日〜18日を統一交渉ゾーンとして、当局・使用者に回答を迫ります。

(4) 3月18日を全国統一行動日として、ストライキ(民間)、29分時間内食い込み集会を基本に、最低でも時間外職場集会やビラ配布行動等を配置しながら、当局・使用者に回答を迫ります。春闘期における全国統一行動指標は以下の通りとします。

2016春闘3.18全国統一行動指標>

公務・公務準拠単組

@ 実質生活水準を確保するため、積極的な賃金改善をはかること。賃金・労働条件の変更にあたっては、十分な労使協議と合意を前提とすること

A 臨時・非常勤等職員の雇用の安定と処遇改善をはかること

民間労組

@ 組合の要求に基づき賃金改善をはかり、早期に実施すること

A 非正規従業員の雇用の安定・処遇改善をはかること

(5) 闘争態勢の確立のために、「年間を通じて一波につき2時間を上限とするストライキを含む闘争指令権を中央闘争委員会に委譲する」ストライキ批准投票を実施します。2月10日(水)〜16日(火)を投票ゾーンとして、県本部への報告日を2月17日(水)とします。

(6) 公共サービスキャンペーンの一環として、主要駅頭宣伝(びら配布)を3月8日(火)に行い、連合栃木(公務部門連絡会)や栃木県地方自治研究センターとともに、県民対話集会を3月16日(水)に小山市文化センター小ホールで開催します。県民対話集会では、「学校において労働教育(働くということや労働法等)が、どのように進められているのか」をテーマにします。

(7) 公務員連絡会の政府(国家公務員制度担当大臣)交渉、人事院交渉にあわせて、全国統一行動日に職場集会を開催します。

@ 第1次 2月22日(要求書提出が金曜日なので翌週の月曜日)

A 第2次 3月18日(公務員連絡会は17日ですが、自治労栃木は対自治体全国統一行動とあわせて公務員連絡会交渉の報告をします)

B 第3次 3月25日(回答指定日の翌日)

(8) 連合栃木中小共闘センターに全国一般ヤオハン支部、渡邊金属運輸支部と佐野市民病院職員労働組合を登録します。

(9) 連合栃木春季生活闘争総決起集会に参加します。

@ 日 時 2016年2月27日(土)午前10時〜12時(受付開始9時)

A 場 所 オリオンスクエア(宇都宮市江野町8−2)

B 内 容 総決起集会   10001100

デモ行進    11001200

C 人員規模 決起集会は全体で2,000人規模、自治労は320人の要請

 

U 当面の闘争方針

 

1 人員確保と労働安全衛生確立の取り組み

(1) 各単組は、人員確保について、@春闘期の交渉とするのか、A6月期の交渉とするのか、方針を明確にして取り組みます。春闘期に職場ごとの人員要求を取り組まなかった単組は、『職場の人員足りてますか?』チェックシートを活用して、職場(課、等)単位で人員要求を積み上げ、要求し、当局交渉を行います。執行委員会が定める統一行動日に職場集会を配置して、その前日までの決着をめざします。

(2) 7月を安全衛生強化月間として、労働安全衛生の確立と快適職場づくりに取り組みます。

 

2 男女平等月間(6月)の取り組み

 各単組は、男女平等の推進について、@春闘期の交渉とするのか、A6月期の交渉とするのか、方針を明確にして取り組みます。春闘期に男女平等の具体的課題を掲げた要求・交渉をしなかった単組は、4〜5月に、自治労版ジェンダー監査シートを活用し、職場や組合の男女平等点検に取り組み、6月に要求書を提出し交渉します。あわせて、ハラスメントの防止に取り組みます。

 

3 自治・分権、労働規制緩和反対、信頼の社会保障制度改革の推進

(1) 6月議会と9月議会に向けて、地方財政の確保に向けて意見書採択に取り組みます。

(2) 20161014日〜15日に、宮城県仙台市で開催される第36回地方自治研究全国集会に向け、単組、職場での地方自治研究の成果をレポートとして準備します。

(3) 社会保障・税番号(マイナンバー)制度については、個人情報保護の立場から監視します。マイナンバー利用範囲の拡大については運用状況の検証が前提であり、とくに医療分野での拡大に反対します。

(4) 高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)や裁量労働制の規制緩和を盛り込んだ労働基準法改正(改悪)をはじめ、労働規制の緩和に断固反対する立場で、連合に結集して取り組みます。

(5) 「1億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」にかかわって、社会を支える福祉人材確保に取り組みます。

 

4 現業・公営企業・公共民間統一闘争の準備

 2016現業・公営企業・公共民間統一闘争に向けて、現業・公営企業・公共民間統一闘争委員会を中心に、6月人員確保闘争をスタートに準備をすすめます。

 

5 環境・平和・人権を守るたたかい

(1) 平和主義と民主主義を守るために、戦争法の廃止を求める統一署名に取り組みます。

(2) 脱原発・エネルギー政策の転換に取り組みます。

(3) 辺野古新基地建設の中止、普天間基地の早期返還を求め、沖縄に連帯して取り組みます。また、オスプレイの米軍基地や自衛隊への配備・導入に反対します。

 

7 公共サービス労働者の総結集と組織の拡大

(1) 自治労の「公共サービスを担う非正規労働者10万人組織化」の方針に則って、自治体臨時・非常勤等職員の組織拡大に取り組みます。

(2) あわせて、社会福祉協議会、消防職員・病院職員と未加入自治体単組を重点に、組織拡大に取り組みます。

(3) 7月29日(金)〜31日(日)に山梨県で開催される第20回自治労青年女性中央大交流集会の準備を進めます。