当面の闘争方針

 

1 情勢と課題

(1) 連合の2014春季生活闘争・最終回答集計(7月3日発表)によると、回答を引き出した5,861組合のうち、賃金改善を獲得した組合は2,386組合(40.7%)にのぼり、2013年の594組合(同8.7%)から大きく前進しました。賃金の引上げ額は前年比1,062円・0.36ポイント増、一時金についても前年比0.29月増(年間4.78月)と、2013春闘を上回る結果となりました。

(2) 人事院は8月7日、2014年の官民比較に基づき、月例給と一時金を引き上げる勧告を行いました。その一方で、「給与制度の総合的見直し」と称し、俸給表の平均2%引下げと地域手当の級地区分・支給割合の見直しや高年齢層職員の賃金抑制などを2015年4月から実施するよう勧告しました。

(3) 自治労・公務員連絡会は、次の考え方を基本に、政府との交渉・協議を進めるとしています。

@ まずは本年の官民較差に基づく給与引上げを確実に実施することを求めます。

A 「給与制度の総合的見直し」については、公務員連絡会との十分な交渉・協議を行い、「給与制度の総合的見直し」に関する勧告・報告の実施を見送ることを求めます。

(4) 安倍内閣は法人税引下げをしようとしていますが、地方財政に深刻な影響をもたらしかねません。労働法制の改悪は、労働者保護の後退、非正規労働者のさらなる拡大を招きかねず、反対の取り組みが求められます。

 

2 2014現業・公営企業・公共民間統一闘争

(1) 現業・公営企業・公共民間の職場に働く組合員は、地域の最前線で住民の生活と健康を守り、ライフラインを維持する公共サービスを日々担っています。しかしながら、この間、集中改革プランや定員適正化計画、事業のアウトソーシング、指定管理者制度等により、退職者不補充、新規採用なし、正規から非正規職員への置き換えなど、行き過ぎた人員削減が進み、職場では超過勤務の増大や疲労による士気、メンタルヘルスの低下、専門的技術・ノウハウの継承問題など、多くの弊害をもたらしました。雇用と職場の縮小・存続の不安を抱えている職場も少なくありません。

(2) 5月の人員確保闘争を皮切りに、7月の労安月間から夏季・人勧期闘争、確定闘争、春闘へと通年的な取り組みを進めます。県本部に設置した現業・公営企業・公共民間統一闘争委員会を活用し、統一課題と各評議会の独自課題の解決に向けて取り組みます。

(3) 統一スローガンを、「安全・安心の公共サービスを安定して提供するため、各職場で必要な人員と予算を確保しよう」とします。

(4) 統一課題を実現するための前提として、4項目を全単組で達成します。

@ 労組法適用、協約締結権の実践的な活用

A 全単組・評議会(支部・分会等)における要求書の提出

B 「要求→交渉→妥結→妥結内容の文書確認・協約化」の闘争サイクルの確立

C 評議会・支部・分会等の結成による組織強化・拡大

(5) 統一課題を7項目とします。なお、第87回自治労大会の第1号議案「当面の闘争方針」で決定された「2014現業・公企統一闘争基本要求内容モデル」については、参考資料とします。

@ 職場の存廃や事業の外部委託、指定管理者の選定基準など、組織・機構見直しにあたっての事前協議と労使合意、合意事項の文書・協約締結

A 業務量に見合った適正な人員配置と予算の確保

B 労基法36条(時間外及び休日の労働)協定の締結、事前命令の徹底、超勤予算の確保

C 臨時・非常勤等職員等の処遇改善と継続雇用、正規化の推進

D 大規模災害等の緊急時に備えた人員配置、危機管理体制の確立

E 安全衛生委員会の定期開催による労働災害の防止とメンタルヘルス対策の強化

F 住民との共闘による、総合評価方式や最低制限価格等の入札改革、公契約条例、公共サービス基本条例の制定など政策制度要求の実現、現場からの政策提言

(6) 2014現業・公営企業・公共民間統一闘争は、産別闘争全体の中に位置づけた上で、賃金確定闘争の前段の取り組みとしてたたかいを進めます。なお、具体的な戦術については、9月30日(火)に開催予定の自治労第1回拡大闘争委員会の決定を受けて配置します。

(7) 2014現業・公営企業・公共民間統一闘争の要求書は、遅くとも10月9日(木)までに自治体当局または使用者に提出します。回答指定日は1014日(火)とし、1023日(木)までを交渉強化ゾーンとします。なお、1024日(金)の全国統一闘争基準日には1時間ストライキを基本に職場集会を構え、前日23日までに「労働組合との合意なしに一方的に給与制度の総合的見直しを行わない」むね回答を引き出すとともに、現業・公営企業・公共民間課題の決着をめざします。

(8) 当面の日程

10月2日〜9日    統一要求書提出ゾーン

1010         自治労本部「自治体現場力と公共サービスを考える集会」

1014         回答指定日

1014日〜23  交渉強化ゾーン

1024         全国統一闘争基準日

1025         総決起集会・市民アピール行動

(9) 現業評議会、公営企業評議会、公共サービス民間労組評議会は、それぞれ独自課題を掲げ、統一要求、具体的行動に取り組みます。

 

3 2014賃金確定闘争

(1) 2014賃金確定闘争の基本課題

@ 県人事委員会に対して、次の課題を重点に、対策を行います。

ア 民間給与実態を正確に把握し、地方公務員の生活を守るための賃金水準を確保すること。

イ 人事院が勧告した「給与制度の総合的見直し」については、国家公務員内部の給与配分政策の変更であり、地方公務員給与について、国に追随することなく、公民較差に基づく報告・勧告を行うこと。

A 2014賃金確定闘争は、自治体労働者の生活を守るための賃金水準確保のため、取り組みの柱を次のとおり設定します。また、非正規労働者の雇用上限撤廃、雇用継続にむけて、すべての単組で取り組みます。

ア 月例給の水準を引き上げること。

イ 国の「給与制度の総合的見直し」に準じる公民較差に基づかない賃金水準の引下げを実施しないこと。

ウ 給与構造改革における現給保障を廃止しないこと。

エ 一時金の支給月数を引き上げること。

オ 「等級別基準職務表」の条例化にあたってはこの間の労働組合との合意に沿った内容にすること。また、等級別・職名ごとの職員数の公表の仕方については、労働組合と交渉・協議・合意を前提とすること。

カ 臨時・非常勤等職員の賃金を改善すること。また、雇用安定と常勤職員との均等待遇を実現すること。

キ 人事評価制度の導入は労働組合との交渉・協議・合意を前提とすること。

ク 雇用と年金の確実な接続をはかるための制度を確立すること。

ケ 業務の実態に見合った必要な人員を配置すること。

B 「給与制度の総合的見直し」については、2015年4月の公民較差に基づかない地方公務員給与の引下げは実施させないことを基本とし、「給与制度の総合的見直し」に関わる課題について、確定期には妥結せず、12月議会に提案しないこととし、春闘以降への継続協議とします。

(2) 2015年度に向けた給与制度のあり方

@ まずは本年の官民較差に基づく給与引上げを確実に実施することは、2015年度に向けた給与制度のあり方の議論をする最低限の前提とします。

A 2015年度に向けた給与制度のあり方については、給料表の平均2%引下げに見合う財源を確保し、これを組合員の生活維持のために使うこととします。具体的にはア〜サのような方法が考えられますので、単組の実情を十分考慮したうえ、一歩前をめざす方針を確立します。

ア 人事院が2014年度改定として勧告している俸給表を2015年4月以後も使う。

イ 県人事委員会が独自の給料表を勧告した場合、この給料表を使う。

ウ 県人事委員会が県内一律の地域手当を勧告した場合、この地域手当を支給する。

エ 地域手当として2%を支給する。

オ 4号給を超える昇給区分(6号昇給、8号昇給)を全職員一律に適用する。

カ 上位級への昇格を拡大し、または昇格時期を全職員一律に前倒しする(行政職給料表(一)では課長補佐・同相当職6級到達、係長・同相当職4級到達を目標に)。

キ 男女間・職種間の賃金格差を解消するために、女性や賃金の低い職種の賃金を引き上げる。臨時・非常勤等職員の賃金を引き上げる。

ク 不払いとなってきた超過勤務手当、休日給を完全に支払う。

ケ 福利厚生制度を充実する。

コ 職員の安全衛生を総点検して、危険、不衛生個所を改善する。

サ その他

B あわせて、次の点にも留意して当局交渉をすすめることとします。

ア 栃木県人事委員会は昨年(2013年)1016日の「職員の給与等に関する報告」で、「本年4月時点で、職員の月例給与は民間給与を119円(0.03%)下回っている」としており、栃木県内で公務員給与が地域民間賃金を上回る状況にはないこと

イ やむを得ず人事院勧告にならって給料表水準を引き下げる場合、地域手当が引き上げられる自治体を除き、原資不足が生じるおそれはなく、2015年1月1日の昇給号俸数の抑制を行う必要がないこと

ウ やむを得ず人事院勧告にならって給料表水準を引き下げる場合、5級と6級の号給を同様に8号給延長する必要があること。さらに、国においては俸給表切替日(2015年4月1日)までに何年間最高俸給月額に在号給したかにかかわりなく、その後の昇給期(毎年1月1日)に勤務成績に応じて昇給することとされているが、勤務成績に応じた昇給を行っていない自治体では、給料表切替日までに最高給料月額に在号給した年数に応じて号給を決定することで給料の逆転を防止する必要があること

エ 現給保障を2018年3月末で打ち切らないこと。また、2006年給与構造改革の現給保障を廃止しないこと

オ 55歳以上の職員に対する一律削減(国の場合は1.5%)を行わないこと。また、55歳以上の職員の昇給の標準を2号給とすること

カ 現在寒冷地手当の支給対象となっている職場に勤務する職員には、居住地にかかわらず2015年4月以後も引き続き寒冷地手当を支給すること

キ 勤勉手当への成績率導入は労働組合との交渉・協議・合意を前提とすること

(3) 賃金以外の労働条件等の課題

@ 賃金以外の労働条件等については、次の課題を重点とし、単組の継続課題・独自課題を考慮して要求を決定します。

ア 人事評価制度の導入は労働組合との交渉・協議・合意を前提とすること。

イ 雇用と年金を確実に接続するために、希望者全員を65歳まで再任用する制度運用を確立すること。再任用者の賃金水準は国公行(一)4級水準とすること。

ウ 超過勤務を縮減すること。そのために、労働基準法第36条に定める「時間外・休日労働に関する協定」を締結すること。

エ 自己啓発休業制度を導入しリフレッシュ休暇制度などを新設・拡充すること。

オ 業務の実態に見合った必要な人員を配置すること。

カ 早期退職募集制度は国の割増率を最低とし、応募や応募の取下げは職員の自発的な意思に委ねられることとすること。

キ 安全衛生委員会を月1回開催するとともに、職場点検を実施すること。

ク メンタルヘルス対策のための専門家との相談制度を設けること。

ケ 分限条例に、公務遂行中の過失による事故又は通勤途上の過失による交通事故に係る特例を設けること。

A 賃金・労働条件について交渉して合意した事項は、書面協定(非現業の地方公務員)または労働協約(現業・公営企業・民間労働者)として結びます

(4) 臨時・非常勤等職員の課題

@ 臨時・非常勤等職員の賃金・労働条件の改善と雇用の安定については、同一価値労働・同一賃金、常勤職員との時間比例による均等待遇を基本とし、労働基準法はじめ法令を順守することを最低限に、総務省公務員部長通知「臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等について」(2014年7月4日)を活用し、次の点を重点に要求します。

ア 事務(事務補助)職員の時給970円以上とすること。

イ 労働基準法の基準を最低に、年次有給休暇・夏期休暇などを制度化すること。

ウ 6か月以上勤続(見込み)・週20時間以上勤務の職員の健康診断を実施すること。

エ 法定基準を最低に雇用保険、健康保険、厚生年金に加入させること。

A 当事者(臨時・非常勤等職員)の交渉参加を追求します。また、交渉して合意した事項は、書面協定(一般職の臨時・非常勤等の地方公務員)または労働協約(特別職非常勤地方公務員、現業・公営企業・民間労働者、ただし労働組合に加入していることが条件)として結びます。

(5) 要求書の提出と交渉のヤマ場

@ 人事院勧告の内容について、単組学習会(90分標準)を企画して、遅くとも9月末までに全組合員の受講完了をめざします。県本部は、学習会講師を派遣します。単組学習会を通じて要求討論をして、単組執行委員会で集約します。

A 賃金確定闘争の要求書は、1020日(月)に一斉に自治体当局または使用者に提出します。

B 1024日の現業・公営企業・公共民間統一闘争統一行動日の前日23日までに、現業・公営企業労働者の団体交渉権を活用して、「労働組合との合意なしに一方的に給与制度の総合的見直しを行わない」むね回答うぃ引き出します。

C 賃金確定闘争のヤマ場は、1117日の週として、1121日(金)に各単組は職場集会を開くこととして、前日20日までの決着(2015年度に向けた給与制度のあり方を春闘以降への継続協議とすることを含めて)に全力をあげます

D 自治体基本単組は、関連する公共サービス民間単組に情報提供し、要求書づくりや交渉を支援します。

E 県本部は、県市町村課交渉、市長会交渉、町村会交渉や巡回交渉に取り組み、自治体交渉の条件整備を図ります。また、各自治体の賃金制度調査を行います。

F 県本部はヤマ場に向け、各自治体をはじめ各単組の交渉動向を把握し、遅れることなく情報共有を図り、統一闘争態勢ができるようにします。必要があるときは、臨時執行委員会、常任執行委員会、都市評議会、町村評議会、公共サービス民間労組評議会、県職関連評議会を開催し、きめ細かな情報共有をはかります。

 

4 春闘の準備

(1) 2015春闘の要求書づくりに資するために、賃金要求アンケートを実施します。また、2015春闘ハンドブックを発刊し、春闘期の学習と組織強化・拡大に活用します。

(2) 春闘では、地域民間賃金水準を引き上げるために、全国一般や公共サービス民間労組評に結集する中小労働運動を重視し、地域共闘・地域労働運動を積極的に担うこととします。

 

5 公共サービスの規制改革と公契約(公共調達)条例の制定

(1) 公正労働の実現と均等待遇実現のため、「公共サービス基本条例」及び「自治体公契約(公共調達)条例」等の制定に向け、引き続き自治体や県民に働きかけていくとともに、自治研センター・連合栃木や連合総研、全建総連など他の産別の仲間と連携を強めていきます。

(2) 具体的には、「栃木県地域公共サービスの確立を求める委員会」の活動を中心的に担いながら、集会や駅頭ビラ配布等に積極的に取り組み、根気強く市民へのはたらきかけを続けていきます。

(3) 2015年度政府予算編成における地方財政計画・地方交付税総額の確保をめざし、11月中旬〜12月上旬を集中ゾーンに設定し、自治労本部に結集して取り組みます。また、単組は、自治体予算編成期に照準をあわせ、本部モデル案を参考に、自治体予算にかかる交渉、労使協議を行います。

(4) 市町村国保の都道府県単位化など、国民健康保険制度改革に対しては、都道府県と市町村の役割と責任を明確にして、公共サービスの切下げにつながらないよう取り組みます。あわせて、制度改正後の国保連合会の位置づけや役割にかかる自治労本部の検討に参加します。

 

6 平和・人権・環境の活動

(1) 集団的自衛権の行使を可能とする自衛隊法などの法律改正を阻止するため、平和フォーラム・県平和運動センターや戦争をさせない1000人委員会・戦争をさせない全国署名栃木県連絡会議の活動を積極的に担います。

(2) 川内原発、東海村第二原発をはじめとする原発の再稼働を許さず、福島第一原発事故被害の完全な補償を求め、さようなら原発1000万人アクションや「11.16さようなら原発!栃木アクション」の脱原発、エネルギー政策の転換の活動に参加します。

(3) 連合栃木が取り組む、「食とみどり、水を守る運動」に参加していきます。

 

7 政治闘争について

安倍内閣と自民党は、解釈改憲により憲法第9条をなしくずしにしようとしており、原子力発電を重要なベースロード電源と位置づけて再稼働、新増設をしようとしています。一部の野党も同様に右翼的な主張をしています。しかし、世論調査は国民の多くはこの政策に反対していることを示しています。自民党1強多弱の政治状況を打ち破るために、地域からできる行動を起こしていきます。

 

8 組織強化・拡大の推進

(1) 自治体臨時・非常勤等職員、社会福祉協議会など公共サービス関連の正規・非正規労働者を重点に、労働組合加入・結成をはかります。あわせて、消防職員の組織化を進めます。

(2) 1956年7月1日に栃木県自治団体職員組合連絡協議会(県自治職連)が結成され、自治労栃木県連合会を経て今日の自治労栃木県本部になりました。2016年に結成60周年を迎えることから、記念誌発行、レセプションを中心に記念事業の検討を進めます。

(3) 「給与制度の総合的見直し」にかかわる交渉状況や、組織内自治体議員の活躍などを材料として、『自治労とちぎ』家庭版を11月〜12月に組合員家庭に配布します。

 

9 労働者自主福祉活動の推進について

(1) 2013年6月に自治労共済は全労済と完全統合を果たしました。自治労栃木県本部と共済県支部の共同推進、全労済栃木県本部と共済県支部の共同推進を通じて、組合員の福利向上のための活動を強化していきます。単組別加入拡大目標を掲げ、新規契約目標を中心に拡大に取り組みます。取り組みは、県本部共済推進委員会を中心に共済県支部との共同推進、県労済との協力を受けて行います。以下のものを重点に取り組みます。

@ 団体生命共済

A 長期共済・税制適格年金

B 退職後共済

C 親子共済

D 火災共済・自然災害共済

E マイカー共済

F 自賠責共済と個人向け新商品(臨時・非常勤等職員対象)

(2) じちろう全国共済集会を参考に、自治労栃木県本部共済集会を開催します。単組主催によるライフプランセミナーやセカンドライフセミナーの開催を求めます。

(3) 今後増加する再任用職員の組合継続、共済継続をお願いするとともに、管理職等による組合退会者の自治労共済継続をお願いします。生命共済やマイカー共済等の継続性を考慮し、基本型の退職餞別金支給ができるように組合での取り扱い継続をお願いしていきます。

(4) 12月ボーナスを労働金庫に集中するなど、ろうきん運動を推進します。

 

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