和田武さんによれば、原子力発電に頼らないデンマークでは、風力発電機産業や地域暖房関連産業が発達し、2008年のフルタイム雇用では、エネルギー産業は41,106人で、全産業347,404人の11.8%を占めています。ドイツの再生可能エネルギー産業における雇用は、すでに37万人を超えているそうです(和田武『市民・地域主導の再生可能エネルギー普及戦略−電力買取制度を活かして』、株式会社かもがわ出版、2013年)。日本で原子力産業に従事している人の大部分は、再生可能エネルギー産業への雇用転換は容易だと思います。原子力技術者の一定の部分は、つらい思いをすることになるかも知れません。私自身、県庁では技術屋として仕事していましたから、そのつらさはわかるつもりです。しかし、脱原発を実現しても、廃炉や放射性廃棄物の問題は大きな課題として残りますし、基礎研究を続けることには多くの反原発運動体も反対していませんから、雇用がまったく失われることはないと思います。それよりも、原発下請け、孫請け労働者が、原因不明の健康障害でバタバタと倒れている事実、この事実はほとんど知られていません。1970年代末に、双葉地方原発反対同盟が大阪の阪南中央病院の村田三郎先生の協力を得て、福島原発被曝労働者の実態調査を行って、一定の結果を発表しています。このことが次のサイトのPDFファイルの6ページ目に出てきます。ぜひ読んでいただくといいと思います。
http://www.fair-labor.soc.hit-u.ac.jp/rh-junpo/111025.pdf
この方々が、再生可能エネルギー産業に転換できたら素晴らしいとは思いませんか。